ブランドロゴの重要性とは?ロゴが果たす役割や作成の流れを解説

ブランディングを行うときに、ブランドロゴは重要な要素になります。例えば、街中でロゴを見るだけで特定の企業や商品が思い浮かぶ場合、ブランディングは成功していると言えます。ただし、ブランドのイメージを定着させるためには、優れたブランドロゴが共通して持つ要素を満たすことが必要です。

この記事ではブランドロゴの重要性や役割、ロゴに必要な3つの要素、およびブランドロゴを作成するためのステップを紹介します。ブランドロゴを制作したいマーケティング担当の方は、ぜひ参考にしてください。

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1. ブランドロゴとは企業・商品・サービスの象徴のこと 

「ブランドロゴ」とは、企業や商品、サービスの象徴をデザインに落とし込んだロゴマークのことです。ロゴには図形などで表されるシンボルマークと、ブランド名などを文字で表したロゴタイプがあり、それぞれ単独でロゴにする場合と、組み合わせて使われる場合があります。

ロゴの起源は、古代メソポタミアの円筒印章にさかのぼると言われています。円筒印章とは、円筒を転がして側面に描かれた図柄を押印する道具で、交易時に容器の中身が無事である証に押印されていました。

ブランドも元来のロゴと似た意味を持ち、家畜を識別するために押す焼印にルーツがあります。焼印の図柄も多種多様で、ロゴのような働きをしていました。古くから、デザインによって商品・サービスのアイデンティティを示したり、商品・サービスの品質を保証したりする役割を果たしている例は多く見られます。

1-1. ブランドロゴの例

世間には無数の「ブランドロゴ」があり、デザインやテイストはさまざまです。特に、ロゴそのものが有名なブランドは、マーケティングで成功していることが多いです。有名な「ブランドロゴ」を持つ代表例として、次の3社を紹介します。

味の素

味の素を象徴する赤で、Ajを一筆書きにしたようなやわらかいデザインです。

Aは味とアミノ酸を表し、∞(無限大)と組み合わせたデザインで、味やアミノ酸が持つ無限の可能性を表しています。人の姿と楽しみ(Joy)を表すjは、Aとつなげて日々の食事や生活を楽しむことを願うシンボルとされています。jの下からはグループの成長・発展を表す右上がりのラインが伸びているのが特徴です。

参考:味の素株式会社「せかいでつかうグローバルロゴができたンダ

NIKE

NIKEのロゴは、素早くものを動かすときの音を表すスウッシュと呼ばれます。風や物が描く軌道のような、躍動感のある弧を描いた図形となっています。以前はスウッシュに文字を重ねたデザインが多用されていたものの、近年のロゴはスウッシュのみのシンプルなデザインです。

参考:ナイキジャパン

マクドナルド

黄色のロゴで、マクドナルドのMを表すようなデザインです。実際はMの字ではなく、シカゴの1号店にあった金色のアーチをモチーフにしています。1967年から2006年まではブランド名などの文字を重ねて使われており、2006年以降は金色のアーチのみのロゴとなりました。

参考:マクドナルド「マクドナルド情報について」

2. ブランドロゴが果たしている役割3つ

「ブランドロゴ」は、単純に特定のブランドを識別するためだけのマークではありません。優れたデザインを持つロゴは、ブランディングにおいてさまざまな方向からユーザーに働きかける重要な役割を果たします。

ブランディングでロゴが果たしている重要な役割を具体的に紹介します。

2-1. 企業や商品の認知度を高める

「ブランドロゴ」には、企業や商品の認知度を高める役割があります。人によってはロゴを見るだけで特定の企業や商品が思い浮かんだり、特定の企業や商品の名前を聞くだけでロゴが思い浮かんだりすることもあるでしょう。

「ブランドロゴ」は商品・サービスだけでなく、ブランドの公式サイトやチラシなどに至るまで幅広く掲載され、商品・サービス以上に頻繁にユーザーの目に留まります。印象的なロゴをつくり、ロゴ自体の認知度を高めると、ロゴの掲載された企業や商品の認知度を高めるのに効果的です。

2-2. 他のブランドと差別化できる

「ブランドロゴ」によって、ユーザーは他ブランドとの違いを視覚的に、簡単に把握できるようになります。

他ブランドと競合する商品・サービスを販売する場合、ユーザーからは商品・サービスそのものの違いが分かりにくく感じられるケースも少なくありません。「ブランドロゴ」によって、他ブランドとは異なる、自社ブランドの特徴が反映された商品・サービスであることをユーザーに伝えられる可能性があります。

2-3. 企業のイメージを形成する

「ブランドロゴ」から与えられるイメージによって、ユーザーの中で企業のイメージが形成されます。特にイメージに与える影響が大きい配色については、ほとんどの企業がこだわりを見せるポイントです。

色によって、言葉ではなく視覚的・感覚的にイメージを伝えられるため、多くの企業では自分たちの理念や商品・サービスの特徴を表すコーポレートカラーを設定しています。

3. ブランドロゴに必要な要素

デザイン性が高いだけでは、「ブランドロゴ」はブランディング上の役割を十分に果たしきれません。ロゴによるブランディングを成立させるために、デザインに必要不可欠ないくつかの要素が存在します。「ブランドロゴ」をつくるときに欠かせない要素とは何かを解説します。

3-1. 自社の理念を可視化している

「ブランドロゴ」は、自社やブランドの理念を表現したデザインにすることが大切です。

昨今のユーザーはブランドに背景にあるストーリーにまで興味を持ち、「ブランドロゴ」についてもできあがった経緯や背景にも重きを置く傾向にあります。理念やコンセプト、ブランドの歴史などの可視化によってブランドへの共感を得やすくするため、ロゴにもしっかりと理念を落とし込みましょう。

3-2. シンプルで汎用性がある

ロゴデザインはシンプルで分かりやすいものが望ましいです。ロゴに必要以上の色数を使ったり装飾を施したりすると、かえって印象に残りにくい上に、ロゴを掲載する媒体によっては視認性が低くなります。

ロゴは絵ではなく記号と考え、1つの絵として見た際の美しさではなく、商品や広告に掲載しても見えやすいかどうかを重視して作成しましょう。どの媒体に掲載しても視認性が高いロゴは、ユーザーの目に触れやすく、ブランディングに効果的です。

3-3. 高い独自性がある

ロゴはブランドのイメージを決めるもののため、独自性が重要です。ユーザーが一目見て特定のブランドの商品・サービスであると分かるように、オリジナリティのあるデザインにする必要があります。

ロゴは意匠権や知的財産権によって保護される対象でもあります。他社のロゴとの差別化は、ブランドのアイデンティティとしてだけでなく、権利関係の問題が起こることを未然に防ぐためにも重要です。

4. ブランドロゴ作成の流れ4ステップ

「ブランドロゴ」を作成するには、さまざまな点に考慮する必要があります。多くの要素を盛り込みながら独自のロゴを作成するのは難しいため、ロゴデザインをプロのデザイナーに依頼する企業は多いでしょう。

実際に「ブランドロゴ」を作成する際は、次のような手順で作成を進めるのが一般的です。

4-1. 自社の目的や理念を洗い出す

自社の目的や理念は、ロゴのアイデアの源です。ロゴの方向性を決定し、デザイナーに伝えるためには、目的・理念を洗い出して言語化する必要があります。

ブランドの商品・サービス展開は理念や目的を核に展開されます。ブランドに求める役割やどのような層のユーザーを想定しているのかをロゴに落とし込むことで、商品・サービスとロゴの間に一貫性とメッセージ性を持たせられます。

目的や理念が明確になると、共感したユーザーがファンとなる可能性が高まるため、効果的なブランディングのために目的・理念はできる限り具体化します。

既存の「ブランドロゴ」をリニューアルしたい場合、既存のロゴの意味やイメージを参考にするのも1つの方法です。

4-2. ロゴのテーマやデザインコンセプトを決める

具体的なデザインを起こす前に、洗い出した目的や理念に沿ってロゴのテーマやデザインコンセプトを決めましょう。ロゴのテーマやデザインコンセプト決めは、言語化された目的や理念をどのように視覚化していくかを定めていく作業です。

ブランドのユーザー層から商品・サービスに対して持たれたいイメージと、企業や商品の理念が持つイメージから、ロゴのテーマやコンセプトを決定します。

ロゴのテーマは具体的なイメージを言語化したものです。例えば会計ソフトのロゴをつくる場合、「多機能なプロの会計士が使いやすいソフト」や「誰でも簡単に使える分かりやすい会計ソフト」などがテーマです。

一方でロゴのコンセプトは、「エレガント」や「スタイリッシュ」「素朴」などの抽象的な言葉が軸になります。「誰でも簡単に使える分かりやすい会計ソフト」なら「やさしさ」や「親しみやすさ」などがコンセプトです。

また、ロゴの掲載範囲もテーマ・コンセプトと同じタイミングで決めるのが一般的です。

4-3. デザイン会社・デザイナーに発注を行う

テーマやコンセプトまでを固めた上で、デザイナーのいるデザイン会社などにロゴデザインの発注を行います。デザイナーに「ブランドロゴ」を発注する際には、いくつかのポイントに注意しましょう。

料金とデザイナーの作業範囲は、デザイナーの価格設定により異なります。デザイナーの作業範囲が広くなるほど料金も高くなる傾向にあります。予算と相談しながら、ロゴのイメージを自分たちで固めるのか、デザイナーにもイメージづくりの段階から参加してもらうのか、作業範囲を決めることが必要です。提案してもらえるデザイン数もデザイン会社次第となるため、確認しておきましょう。

デザイン会社ではなく、フリーランスのデザイナーに依頼する方法もあります。フリーランスに依頼する場合は、実績やポートフォリオを確認し、希望のテーマやコンセプトを表現できるデザイナーかどうかを見極めましょう。

フリーランスとの取引の場合、料金面や納品時のトラブルにも備える必要があります。フリーランスのデザイナーにはクラウドソーシングサービスを経由して依頼すると、不要なトラブルを避けられる可能性が高まります。

4-4. ロゴ使用のガイドラインを作成する

「ブランドロゴ」を作成する際は、ロゴの使用にあたってのガイドラインも必要です。

ロゴは商品・サービス・広報用のパンフレットなど、あらゆる場面で使用されます。ガイドラインでロゴ使用時のルールを定めておくと、ブランドイメージに応じたロゴ表記の制限が可能です。

ガイドラインでは、掲載する場所やロゴ・文字のサイズ、装飾の有無など表記上の制限について定めることで、ロゴのブランドイメージを損なう使い方を避けやすくなります。掲載場所によってはロゴの一部が欠ける場合や、サイズや装飾の改変によってロゴの印象が大きく変わる場合もあります。掲載場所の端から最低限どれほど離すのか、サイズや装飾の変更の可否をどうするかなどをあらかじめ決めておくと、ロゴのイメージが損なわれにくいでしょう。

まとめ

「ブランドロゴ」とは、商品やサービスの象徴をデザインに落とし込み、アイデンティティを示したり、品質を保証したりするものです。単純に特定のブランドを識別するためだけのマークではなく、企業や商品の認知度を高め、他のブランドと差別化し、企業のイメージを形成する重要な役割を果たしています。

「ブランドロゴ」のデザインには、自社の理念を可視化しており、シンプルで汎用性があり、独自性があることが求められます。ロゴを作成するには、まずはブランドストーリーを作った上でテーマやデザインコンセプトを決め、デザイナーに発注後にロゴのガイドラインを定めるとよいでしょう。

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