自社の理念と価値を魅せる「企業ロゴマーク」のポイント
サービスサイトとは?作り方・注目される理由も
2024年01月23日
主な対象を見込み顧客として訴求を狙うサービスサイトに注目が集まっています。サービスサイトは商品・サービスに特化して、ユーザーへの認知向上・訴求を図る企業運営サイトです。
この記事では、Webマーケティングにおいてサービスサイトの運営に注目が集まる理由や、コーポレートサイトとの違いについて解説します。さらに、サービスサイトの作り方・手順や参考になるサービスサイトの事例についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
1. 見込み顧客への訴求を狙う「サービスサイト」とは?
サービスサイトとは、企業独自のサービスや商品を見込み顧客に向けて発信するサイトです。企業独自のサービスや商品を知ってもらうためには、機能や規格について分かりやすい説明が必要です。また、商品開発までのヒストリーやブランドの強みをアピールすることで、購買意欲を高めることができます。
サービスサイトの目的は、ユーザーに自社のサービスや商品を知ってもらい、利用や購入につなげ、顧客を増やすことです。サービスサイトには、サービスや商品の情報を的確に伝え、他社と差別化した魅力を発信する役割が求められます。
2. サービスサイトとコーポレートサイトの違い
サービスサイトが自社のサービスや商品を紹介するサイトである一方で、コーポレートサイトは企業そのものを紹介しているサイトです。ここからは、コーポレートサイトの運営目的や対象ユーザーなどをサービスサイトと比較しながら解説します。
2-1. サイトの運営目的
コーポレートサイトの対象ユーザーは、企業と関係する株主・従業員・取引先・求職者・消費者のみならず、行政や金融機関、地域団体といったあらゆる人々・団体です。対象ユーザーが求める情報もさまざまなため、コーポレートサイトには幅広い情報が掲載されています。
サービスサイトの対象となるユーザーは、サービスや商品の導入を考えているお客さまであり、コーポレートサイトの対象ユーザーより限定的です。
2-2. サイトの対象ユーザー
ブランドサイトの主な役割は、ブランドに関する豊富な情報を発信し、総合的なイメージを向上させることです。サイトでは、単に商品やサービスについて紹介するだけでなく、開発の背景にあるストーリーや開発者の思い、世界観なども伝えられます。
いつでも更新可能で情報量に制限がない強みを生かし、コンセプトに沿った発信を続けることで、ブランド固有のイメージの構築が可能です。ブランディングツールとして非常に有効と言えるでしょう。
こだわりを持ってブランドサイト設計を行うことで、訪れたユーザーがブランドに対してよい印象を持つ可能性が高くなります。同じ企業の別の商品やサービスのイメージ向上にも貢献するでしょう。
2-3. サイトのコンテンツ・デザイン
コーポレートサイトのコンテンツは、さまざまな目的を持つユーザーが「企業の情報を求めて閲覧する」ことを意識してつくられています。基本的な会社概要などの他、取引実績・採用情報・最新ニュース・サステナビリティへの取り組みなど、企業に関する情報が網羅されているのがコーポレートサイトの特徴です。
コーポレートサイトは、異なる層のユーザーが訪れるため、それぞれのユーザーが目的の情報にたどり着ける配慮が必要です。重要な情報が分かりやすく掲載されているデザインは、ユーザーの満足度が高いサイトと言えます。
サービスサイトはコーポレートサイトとは異なり、サービスや商品の紹介に特化しています。お客さまの購買意欲を高めることを目的としたサービスサイトでは、コーポレートサイトより自由なコンテンツ設計・デザインが可能です。
2-4. サイト運営に携わる部署
企業の情報を網羅したコーポレートサイトは、複数の部署にまたがる情報を取り扱っているため、企業の中核に携わる部署がサイト管理・運営している場合が一般的です。具体的な運営部署は、総務部・広報部など企業によって異なります。
一方で、サービスサイトはユーザーの購買意欲を高めることを目的にしており、商品・サービス情報を扱う営業部門やマーケティング部門などが運営に携わっています。
3. サービスサイトの運営に注目が集まる理由
近年、コーポレートサイトとは別に、サービスサイトを運営する企業が増加傾向です。サービスサイトとコーポレートサイトを分けて運営するとメリットが大きいため、企業はサービスサイトに注目しています。ここでは、Webマーケティングの世界でサービスサイトの運営に注目が集まる理由・コーポレートサイトとは別に運営するメリットについて紹介するので、参考にしてください。
3-1. 専門的で分かりやすい情報を発信できる
サービスサイトはサービスや商品の情報に的を絞って発信しているため、ユーザーが求める情報を最短で提供できます。
コーポレートサイトにおけるサービス・商品の情報は、企業情報の1つであり、専門的な情報まで網羅できない場合がほとんどです。サービスサイトをつくると、コーポレートサイトでは紹介しきれないサービスや商品の魅力を十分に伝えることができます。
開発までのヒストリーやブランドのコンセプト、サービス導入・商品購入までの流れなど、お客さまの求める情報を幅広く提供できるのがサービスサイトのメリットです。
3-2. ブランドイメージを訴求しやすいデザインができる
サービスサイトはブランドのコンセプトに最適なデザインで作成できるため、効果的な広告・宣伝が可能です。企業によっては、提供するブランドが複数にわたり、それぞれのブランドで異なるカラーの商品を展開しています。ブランドによっては、コーポレートサイトのデザインと商品イメージが異なり、お客さまがちぐはぐな印象を抱いてしまう可能性を否定できません。
サービスサイトでブランドコンセプトを魅力的に紹介すると、サービスや商品の理解が深まり、購買意欲を高められます。
3-3. SEO対策が実施しやすい
サービスサイトはSEO対策が実施しやすく、集客力アップが見込めるWebサイトです。SEO対策とは、検索エンジンで特定のキーワードを使って検索したとき、自社サイトを上位に表示させ、訪問者を増やす方法です。
サービスサイトはサービスや商品の紹介に特化しているため、コーポレートサイトよりもSEO対策が容易です。サービスサイトのコンテンツ内に検索されやすいキーワードを盛り込み、SEO対策を施すことで、新規顧客や購買意欲のある顧客の獲得につながります。
4. サービスサイトに必要な10のコンテンツ
サービスサイトには、ユーザーがアクションを起こしたくなるコンテンツを揃える必要があります。ユーザーがアクションを起こすときの姿勢は、「興味→関心→納得→信頼→行動」の順番で進むと言われているため、それぞれの過程に合ったコンテンツを揃えると効果的です。
ここからは、サービスサイトに必要なコンテンツを紹介し、具体的にどのような内容にすればよいか詳しく解説します。
4-1. トップページ
トップページはサービスサイトの顔になる部分なので、商品の魅力や共感できるコンセプトによってユーザーを引き付ける工夫が必要です。アピールポイントを簡潔にまとめ、商品を用いることでどのようなメリットがあるのか分かりやすく伝えましょう。
商品の画像や動画を用いて、ユーザーの興味・関心を引いているサイトも多くあります。また、商品の導入実績や受賞履歴、専門機関の認可などがあれば、それを掲載することで信頼感を高める上で効果的です。
なお、トップページには資料請求や申し込みページにつながるバナーを設置すると、興味・関心を持ったユーザーがアクションを起こしやすくなります。
4-2. サービス・商品の基本情報
サービス・商品の基本情報は、サイトのメインとなるページであり、ユーザーが求める情報をもれなく掲載することが求められます。具体的には、商品情報・スペック情報・価格・導入するメリットなどを載せましょう。表や図解にすると見やすく、複数のサービスや商品を比較する場合も検討が容易です。
サービスや商品の基本情報を載せる際に重要なのは、正確な内容を最新の状態にアップデートすることです。ユーザーのニーズを考え、顧客アンケートなどを参考にすると情報が豊富で見やすいページづくりに役立ちます。
4-3. 価格
価格は、サービスや商品導入の際に検討材料になるコンテンツです。サービスの組み合わせによって価格が大きく変わるときは、料金シミュレーションを用意すると導入した際のイメージがつきやすくなります。
複数の料金プランがある場合や、オプションによって金額が変わる場合は、基本の金額を掲載し、「見積もり」や「問い合わせ」へつなぐ方法もあります。コンテンツからECサイトにリンクさせれば、購買意欲が高まってからすぐ購入につなげることも可能です。価格のコンテンツは、ユーザーがアクションを起こしやすいページになるよう、よく検討して作成しましょう。
4-4. 競合サービス・商品の比較
競合するサービスや商品がある場合、サイトに比較するコンテンツを設けると、ユーザーがどの商品を選べばよいか判断しやすくなります。比較の際は、自社商品の強みや特徴をアピールします。他社の批判や特定の製品名を出さないよう注意しましょう。
比較のコンテンツは、一覧表にすると伝わりやすくなります。マルやバツの記号を使う、文字の色を変えるなど視覚的に工夫することで、自社商品のアピールポイントを印象付けられます。
4-5. 導入事例
導入事例は、サービスや商品がどのようなユーザーに導入され、どのように使われているか知るのに必要なコンテンツです。ユーザーは、サービスや商品の導入によってニーズを満たし、問題を解決したいと考えています。すでに導入しているユーザーの声は、購入を検討する上で役立つ要素です。
導入事例は特に、長期にわたり同じサービスや商品を導入することが多いBtoB向けのコンテンツで参考にされる傾向です。導入の事例を掲載できない場合は、導入している企業や機関の名称が掲載されているだけでも印象が違います。
4-6. ニュースリリース
ニュースリリースには、サービスや商品の最新情報を掲載します。トップページからリンクを貼り、詳細を別ページで確認できるようにすると、見やすいです。
なお、ニュースリリースが古い状態のままだと、サービスサイトの信頼度が低下する恐れがあります。既存のユーザーに対しても、最新技術やアップデートした商品を提供する意味で、ニュースリリースは新しい情報にしておくよう心がけましょう。
4-7. ブログ・オウンドメディア
ブログやオウンドメディアは、新規のユーザーを引き込む方法として有効です。SEO対策のキーワードを盛り込むと、検索エンジンの上位に表示されやすくなり、自社のサービスや商品を知ってもらう間口が広がります。
また、企業のブログやオウンドメディアが発信する情報は発信元がはっきりしており、ユーザーの信頼を得やすいコンテンツです。商品の開発情報や企業内部の人が発信する言葉は、ユーザーが信頼感や親近感を抱きやすく、自社の価値を高めるために役立ちます。
ブログやオウンドメディアを取り入れる際に大切なのは、運用を継続することです。設置しただけで更新されていないと、イメージダウンになりかねません。ブログやオウンドメディアの運用は、人員や費用を考慮して導入しましょう。
4-8. FAQ・よくある質問
FAQやよくある質問を設置すると、ユーザーが企業に問い合わせする手間や、企業側が問い合わせに対応するコストを軽減できます。ユーザーの疑問を解決できるFAQを先回りして設置しておけば、サービスや商品への不安感を払拭でき、商品購入・サービス導入までのハードルが下がります。
FAQやよくある質問の項目が多い場合、質問項目をカテゴリー別にしたり、検索できるようにしたりすると親切です。カスタマーサポートと連携し、ユーザーにとっても企業にとっても使いやすいコンテンツになるよう作成します。
4-9. 問い合わせフォーム
問い合わせフォームの役割は、ユーザーと企業をつなぐ窓口となることです。目的別の問い合わせフォームを設置すると、ユーザーにとって使いやすいコンテンツになります。資料請求・見積もり・申し込みなど、用途に合わせたフォームを作成しましょう。
問い合わせフォームは、ユーザーが「問い合わせしたい」と感じたときに行動を起こせるよう、固定メニューなどに設置します。入力項目が多すぎるとユーザーが離脱してしまう可能性があるため、必要な連絡先やメールアドレス、問い合わせ内容を記載するシンプルな構成にします。
4-10. 会社情報・プライバシーポリシー・利用規約
会社情報・プライバシーポリシー・利用規約は、「どのような会社がサービスを提供しているのか」「どういった約束事があるのか」を明確にしたページです。
会社概要:企業の大まかな情報を記載したコンテンツ
プライバシーポリシー:個人情報の取り扱いに関する方針を定めたコンテンツ
利用規約:サイトを利用する上でのルールを定めたコンテンツ
安全な取引を保証し、トラブルを防ぐために、会社情報・プライバシーポリシー・利用規約は詳細に記載しましょう。
5. サービスサイトの作り方・手順
サービスサイトの制作方法は、以下の通りです。
1. 現状把握と市場調査
自社の課題・強みなどを把握し、競合サイトの状況や商品を調べます。現状把握と市場調査は、自社が今後どのようなサービスや商品を提供すればよいのか、方向性を知るのに役立ちます。
2. 魅力的なコンテンツの立案
コンテンツの立案は、自社の強みを市場でどのように生かせるのか、戦略を立てることです。魅力的なコンテンツ制作のポイントは、ユーザーニーズを掘り下げ、ニーズを満たす方法として自社のサービスや商品を提供することです。
自社のサービスや商品を導入することで「どのようなメリットがあるのか」「問題がどう解決するのか」を明確にして、ユーザーの行動を促しましょう。
3. サイトをつくる
サービスサイトは、十分な検討を重ね、戦略を立ててから作成します。サービスサイトのゴールは、見込み顧客にサービスや商品を購入してもらうことです。ユーザーが閲覧や問い合わせの際にストレスを感じないよう、固定メニューに問い合わせフォームを置くなど、デザインを工夫しましょう。
サービスサイトは作成と同時に、ユーザーがサイトにたどり着く導線を考えます。せっかく魅力的なコンテンツを作成しても、サイトを知ってもらわなければ顧客の獲得にはつながりません。Web広告による宣伝やコンテンツのSEO対策を行い、効果的な流入経路を検討しましょう。
6. 参考になるサービスサイトの事例3選
実際に魅力あるサービスサイトを作成し、成功している企業は多くあります。ここからは、サービスサイト制作に役立つ企業のデザイン事例を3つ紹介します。各サイトがどのように優れているかについても解説するため、自社のサービスサイトを作成する際の参考にしましょう。
6-1. Chatwork株式会社
Chatwork株式会社は、ビジネスシーンで使いやすいチャットツールを提供している会社です。サービスサイトで特徴的なのは、トップページを読み進めるだけで料金やサービス概要など必要な情報を得られる分かりやすさです。情報の詳細を知りたい場合は、固定メニューのリンクから各コンテンツページを閲覧できます。
また、登録ボタンや資料請求フォームをコンテンツ各所に設け、ユーザーの意欲が高まったときすぐに行動を起こせるよう工夫されています。
出典:Chatwork/ https://go.chatwork.com/ja/
6-2. 株式会社ダスキン
株式会社ダスキンが展開するミスタードーナツのサービスサイトは、対象ユーザーをドーナツの購入を検討しているユーザーに絞っていることが特徴です。トップページの上部に商品画像やサービスを掲載し、ページを下までスクロールすると運営会社について情報を得ることができます。
ミスタードーナツ公式サイトは、写真やイラストを多用し、商品の魅力を伝えています。サービスの説明文や商品の紹介文も分かりやすく、ユーザーがサイトを見てすぐに必要な情報を得られる設計です。
出典:株式会社ダスキン/https://www.duskin.co.jp/
出典:ミスタードーナツ/https://www.misterdonut.jp/
6-3. トヨタ自動車株式会社
トヨタのWebサイトは、トップページに車の種類やブランドへのリンクを載せ、各ブランドのページに価格や機能などの詳細情報を掲載しています。ブランド別にページを分ける理由は、トヨタが扱う車の種類は多く、それぞれの商品によってブランドイメージやユーザー層が異なるためです。
商品紹介ページでは、各ブランドのイメージに合わせた動画を流すなど、ユーザーの興味や購買意欲が高まるよう工夫されています。
出典:トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト/https://global.toyota/jp/
出典:トヨタ自動車Webサイト/https://toyota.jp/
まとめ
Webマーケティングの世界で、サービスサイトの運営に注目が集まっています。サービスサイトは、ユーザーに向けて専門的で分かりやすい情報を発信することが可能です。また、ブランドイメージを意識したデザインでサイトを運営できる点も、サービスサイトに注目が集まる理由と言えます。
サービスサイトには、商品・サービスの基本情報に加えて、導入事例やブログなどのコンテンツが必要です。また、自社と商品・サービスに関する調査を行ってから、魅力的なコンテンツを立案する必要があります。十分な調査・分析をもとにして、魅力的なサービスサイトをつくっていきましょう。