ブランドポジショニングマップとは?分析・戦略策定のコツ

ポジショニングマップは、特定の市場において商品やサービスがどのような位置付けを持っているかを視覚的に示すツールです。それを商品やサービスではなく、ブランドに置き換えたマップがブランドポジショニングマップです。

ブランドポジショニングマップを作成する意義は、市場内での自社ブランドの位置や競合との関係を明確に把握することにあります。これにより、自社のブランドの強みや弱み、競合と差別化するポイント、市場のニーズや動向などを視覚的に理解することが可能です。

当記事では、ブランドポジショニングマップの基礎的な内容から、作成方法まで詳しく紹介します。

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1. ブランドポジショニングマップとは

ブランドポジショニングマップとは、自社ブランドや競合ブランドの市場での位置を視覚的に示すためのツールです。ブランドポジショニングマップを利用することで、企業は自社のブランドがどのようなポジションにあるのか、どのような特徴や価値を持っているのかを理解しやすくなります。

ブランドポジショニングマップは2つの主要な軸を持ちます。例えば、1つの軸は「価格」で、もう1つの軸は「品質」や「独自性」などが挙げられるでしょう。2つの軸に基づいて、ブランドや製品をマップ上の適切な位置に配置します。結果として、高品質で高価格のブランドや、低品質で低価格のブランドなど、位置関係が明確になります。

1-1. ブランドポジショニングとは

ブランドポジショニングとは、市場の中でブランドが目指す独自の位置や役割を明確に定義し、確固たるブランドイメージを築くことを指します。

ブランドポジショニングは、単に市場での位置取りだけを意味するものではありません。それ以上に、ブランドが消費者の心の中でどのようなイメージや印象を持たれるかという側面も重要です。成功したブランドポジショニングは、消費者に対してブランドに特有の信頼や共感といったポジティブな感情を抱かせることができます。

例えば、一部のブランドは「高品質」や「革新性」を訴求している一方で、別のブランドは「手頃な価格」や「使いやすさ」を前面に打ち出すことで異なるポジショニングを確立しています。ブランドポジショニングが成功しているブランドの多くは、そのポジションに基づいたイメージや価値観を消費者にしっかりと伝え、顧客と長期的な信頼関係を築いています。

2. ブランドポジショニングマップのつくり方

ブランドポジショニングマップは、市場の動向や競合の戦略を分析する上でも役立ちます。例えば、あるセグメントに競合が集中している場合、その領域を避けて異なるセグメントを狙うという戦略を考えることもできるでしょう。

以下では、ブランドポジショニングマップのつくり方を解説します。

2-1. ユーザーのKBFを軸にする

KBFとは「Key Buying Factor」の略です。消費者が複数のブランドや商品の中から選択をする際に、購入の最終的な決め手となる要因や項目を指します。簡単に言えば、KBFは消費者が商品やサービスを「なぜ購入するのか」といった、買う理由そのものです。

KBFを明確にすることは、ブランドポジショニングマップを作成する上で非常に重要です。消費者が実際に購買を行う際の動機や判断基準を理解すれば、そのブランドや商品が市場の中でどのような位置にいるのか、またどのような強みや弱みを持つのかをより正確に把握できます。

ユーザーのKBFを軸にするためには、まず消費者が検討するであろう他ブランドを列挙することから始めます。それらのブランドに関して、どのような要因や項目が消費者の購買の決め手となるのかを考察しましょう。これにより、その市場における各ブランドの特徴や強み、ブランド間の競合関係を明らかにできます。

2-2. ユーザーのKBFから重要な点を洗い出す

ユーザーが検討するであろう他ブランドのKBFを列挙した後、それらの要因の中から自社ブランドのユーザーが最も重要視するポイントを明確にします。

市場に存在する多くのブランドや商品のKBFとして「価格」「品質」「機能性」「デザイン性」「利便性」など多様な要因が考えられるでしょう。例えば、日常使用する家電製品のブランドであれば、「機能性」や「価格」などが消費者の購買意欲を大きく左右する要因となるでしょう。

そこで、自社ブランドの商品やサービスが提供する最大の価値は何かを判断します。この時、消費者のフィードバックや市場調査のデータなど、さまざまな情報源を基に分析を行うことが重要です。

自社ブランドにとって最も関連性の高いKBFを洗い出すことで、ブランドの競争力を強化し、消費者にとって魅力的な価値を明確に伝えられます。

2-3. KBFごとに競合製品と比較する

抽出した自社のKBFと競合他社のKBFを比較し、それぞれの特徴について理解を深めていく作業を行います。

まず、自社と競合他社の製品やサービスをKBFごとに比較検討します。例えば、品質のKBFを取り上げた場合、どのブランドがより高品質として評価されているのか、また価格のKBFの場合、どのブランドがコストパフォーマンスに優れているのかといった、具体的な項目で比較しましょう。

この情報を具体的に表やグラフにまとめることで、自社ブランドの強みや弱み、競合との違いを把握できます。また、ブランドポジショニングマップの軸を選ぶ際は、自社が重きを置いたKBFを基にします。特に、競合製品と比較して自社ブランドが優位に立てる軸を選択することで、市場での自社の強みや独自性を明確に打ち出しやすくなるでしょう。

2-4. マップをもとに戦略策定する

評価・比較されたKBFの中から、競合製品との間で自社ブランドが優位に立てる2つの主要な軸を選定し、マップ上に自社ブランドと競合他社のブランドをプロットします。これで、ポジショニングマップがひとまず完成です。

ポジショニングマップが完成すると、自社ブランドの強みや競合との差別点が一目で分かる形になります。その後は、どのような消費者層にアピールするべきか、どのようなマーケティング戦略やコミュニケーション手法が最も効果的であるかという点について検討し、施策立案につなげましょう。

3. ブランドポジショニングマップ作成時に活用したいフレームワーク

ブランドポジショニングマップ作成時には、別のフレームワークを活用すると、より深い洞察を得られます。

ここでは、ブランドポジショニングマップ作成時に活用したいフレームワークを3つ紹介します。

3-1. STP分析

「STP分析」とは、マーケティングのフレームワークの1つで、STPは「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の頭文字です。STPは、市場戦略を策定する際の基本的なステップを表します。

STP分析を通じて、ブランドや製品の市場戦略を明確にすることができます。

3-2. 3C分析

「3C分析」も、マーケティング戦略を策定する際の基本的なフレームワークの1つです。3Cは「Company(企業)」「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」の頭文字です。

3C分析は、「競合・市場ニーズ」をより加味したブランドポジショニングマップの作成に役立ちます。

3-3. コレスポンデンス分析

「コレスポンデンス分析」は、多変量解析の一手法です。カテゴリデータ間の関連性や相関性を二次元または三次元の平面上にマッピングする方法です。

ブランドポジショニングマップを作成する際、コレスポンデンス分析を活用することで、市場内でのブランドの位置付けや競合との関係、市場ニーズとの整合性などをより明確に捉えやすくなります。

まとめ

ブランドポジショニングマップを作成することで、自社ブランドが目指すべき方向や競合他社との差別化戦略を具体的に定められます。マーケティング活動や商品開発の方向性を決める上でも、1つの指針となるでしょう。

また、ブランドポジショニングマップは内部ステークホルダー(従業員や経営陣など)や、外部ステークホルダー(消費者や取引先、投資家など)に対して、ブランドの方向性や市場戦略を明確に伝える手段としても利用できます。

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