デザインのクオリティを上げる!オリエンシートの使い方

デザイン制作の良し悪しはオリエンテーションで決まる

デザイン制作における「オリエンテーション」と聞くと、どんなビジュアルにするのかを説明する場だと捉えられがちですが、一番重要なことは、「そのデザインを通して何を解決するか」を明確にすることです。
色や形は課題解決のための手段であって、オリエンテーションの1番のポイントではありません。
この記事では、オリエンテーションで大事にするポイントや整理すべき項目などを事例も交えて紹介していきます。

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オリエンテーションで大事なポイントは「課題」と「目的」の整理から

デザインのオリエンテーションに一番重要なのは、「デザインを通して何を解決するか」を明確にするです。また、問題解決により近づけるために以下の3つの点を意識してオリエンテーションの準備をすることを意識すると良いでしょう。

  1. 現状を整理する
    目的達成のために今課題になっていることは何か、目指す姿から比較して現在地はどのあたりかなど、客観的に現状整理を行うことが必要です。どうしても発注者側には自社商品やサービスに対しての主観性が生じていますので、偏った伝達になってしまう可能性があります。
    アイディーエイでは「商品力」「営業力」「デザイン力」の3つの観点から自社の強み・弱みを競合や市場と照らし合わせて抽出することもあります。現状をなるべく具体的に客観視するために、項目をあえて分けて考えることが効果的な考え方になります。

  2. 対象商品やサービスのコンセプトを明文化する
    商品やサービスを表現する上で核になる「コンセプト」ですが、USP(ユニークセールスプロポジション:その商品やサービスが持つ最大の独自価値)や、価値を届ける戦略顧客、それらを支える根拠となる事実など、他社には真似できない独自の価値を明文化することで発注側も制作側も価値を共通認識にすることが可能になります。

  3. 情報の優先順位をつける
    自身で担当する商品やサービスのブランドには担当者の思い入れも強くある分、伝えたいことが多くなってしまうこともあります。もちろん伝えるべき価値である情報が多く存在するのは良いことですが、そこには「優先順位」が必要になります。商品パッケージの場合、ユーザーが一度に覚えられる情報は3つまでと言われています。1、2の項目と繋がる部分になりますが、たくさん伝えたい情報がある中で、どの情報を強めるとより対象の商品やサービスのブランド価値が伝わるかということを念頭において情報の優先順位を整理することが大切です。

オリエンテーションで大切にするのは「色やフォント、形などビジュアル表現に関する具体的な指示をする」ことではなく、「向かうべき方針を示す」ことになります。

(新しい環境・考え方などに対する)適応、順応、(新入生・新入社員などに対する)オリエンテーション、方向づけ、態度(の決定)、志向、方位(を合わせること)

引用:webilo辞書 (https://ejje.weblio.jp/content/orientation

辞書を引いてみると分かる通り、元々「オリエンテーション」という言葉が持つ意味は「方向づけ」になります。
細かいデザインの指示ではなく、課題解決や目的達成のための方向を指し示すことが重要になるのです。

オリエンシートの特徴と参考事例

オリエンテーションを実施する際に活用をおすすめしているのが「オリエンテーションシート」です。
形はそれぞれあれど、皆さんも制作会社やデザイナーへ発注する際に活用されている方も多いのではないでしょうか。ここでは、前項で記載した内容も含めてオリエンテーションを成功させるために効果的なオリエンシートの特徴と参考事例をご紹介していきます。

まずは基本の5W3H

Who:誰に【戦略顧客/ユーザー】
What:何を【商品やサービスが持つ価値】
When:いつ【オープン・販売のタイミング/全体スケジュール】
Where:どこで【販売エリア/売り場】
Why:なぜ【背景/課題/目的】
How:どうやって【解決の方向性/販促戦略】
How many:どのくらいの量を【販売・製造数量】
How much:いくらで【販売価格/予算】

誰もが知っているような当たり前のことのように感じるかもしれませんが、意外と見落としがちな視点です。
また、オリエンテーションの始めには概要と基本情報を伝える必要がありますので、基本的にそれらを網羅している考え方になりますし、誰にでも分かりやすい考え方で非常におすすめです。

現在地を客観的に伝える

前項でも記載した「現状の整理」につながる項目です。
目指す姿に対しての現在の状況を客観的な視点からまとめ、「現在地を共通認識化」します。

アイディーエイ制作オリエンテーションシート:現状把握

現状把握する上で「商品力」「デザイン力」「営業力」の3つの観点から比較することをおすすめします。たとえば、いくらおいしい商品でも、そのおいしさが伝わらないデザインであれば店頭で手に取られる可能性が下がります。営業力が足りないことで卸先やユーザーの目に触れられる場が用意できなければ、そもそも存在自体も認知してもらえません。
というように自社の強みや課題を明確にした上で、デザイン力をどのように活用していくか、その企業や商品が持つ資源を元に検討していきます。

商品・サービスの強みをあらゆる視点で伝える

商品やサービスが持つ価値を整理し伝える項目で、いわゆる「コンセプト」につながる内容です。
自社で認識しているこだわりや価値も重要ですが、外部環境や競合比較から導き出される「独自の差別化要素」や「課題・改善点」が明確になることでコンセプトがグッと整理しやすくなります。

アイディーエイ制作オリエンテーションシート:商品情報

コンセプトを整理する上では「ユーザー視点」も大切です。
5W3Hにもあるように、「誰に」「何を」届けるかが基本の考え方ということを忘れないようにしておきたいです。

ビジュアルの方向性と優先順位を明記する

コンセプトをいかにビジュアル化して伝えるかを検討するために、イメージとして目指す方向性と表現する情報の優先順位を整理していきます。

より具体的にビジュアル化するのはデザイナーの仕事ですが、「どの要素を強めていくのか」がデザインに大きく影響していきます。
リニューアルであれば「何を残して」「何を改善するのか」、新規のデザインであれば「一番大切な要素は何か」「絶対に外せない要素は何か」を検討しながら、デザインの方向性や情報整理を行なっていきます。

アイディーエイ制作オリエンテーションシート:デザイン

さいごに

デザイン制作において、オリエンテーションや事前準備がクオリティの良し悪しを決めるといっても過言ではないくらい、オリエンテーションはすごく重要な役割を担っています。

良いオリエンテーションシートをつくるためには「企画」が重要です。
アイデアと企画の違いをご存知でしょうか?
目標達成・課題解決のために「企画」を強化したい方は以下の記事もぜひご覧ください。

アイデアを企画にする!「良い企画」をつくる5つのポイント

Writer

AYA MATSUDA

岡山本社 アカウントプランナー。 中小企業をメインに業界を問わずデザインやブランディングを提供している。 昨今ではSNSの運用やWeb解析などデジタル戦略で企業のブランドをサポートしている。

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