プロのデザイナーが実践するアイデア発想法

「新しい商品アイデア出さなきゃいけないのに思い浮かばない」
「アイデアが思い浮かばなくてデザインがマンネリ化している」
「どうやったら良いアイデアを出せるのか分からない」
このように日々頭を抱えている方は少なくないでしょう。

よくアイデアは「ふってくるもの」と言われていますが、実はそうではなく、脳の使い方や考え方のコツ一つで溢れるようにでてくるのです。アイディーエイでもデザイナーが毎日のように新しいアイデアを出し、見える化する仕事を行っています。
本記事では実際に現場で使っているアイデア発想法をご紹介します。

アイデアは「既存の要素」の新しい組み合わせ

アイデアとは、新しい思いつきや着想として意味されることが多く、それをたくさん思いつく人のことを「アイデアマン」と呼ぶこともあります。アイデアマンは企画の部署や、静まりかえった会議では重宝されることが多々あります。
それは、「アイデア」を思いつくことはなかなか難しいと感じられている方が多いからではないでしょうか。

ですが、実はアイデアを生むのは限られた人にしかできないような難しいことではないのです。

広告業界で活躍したジェームス・W・ヤングの著書『アイデアのつくり方』にはこのように書いてあります。

『アイデアは、既存の要素の新しい組合せ以外の何物でもない』

引用:ジェームス・W・ヤング『アイデアのつくり方』

ヒットする商品の開発背景を聞いてみるとわかるように、企画担当者たちはこの世に全く存在しないことを思いついているのではなく、「違う分野ではすでにありきたりのこと」を自分たちの分野のものと掛け合わせたりと発想を変えることで、新しい商品を生み出していることも多くあります。

アイデアの生まれるプロセス

そして「アイデアの出し方」はプロセス化することもできるのです。
前述したジェームス・W・ヤングは、「アイデアを生み出す」プロセスは天才のみに許されたモノではなく、車を組み立てるのと同じように、一定のプロセスを経ていると考えました。そしてそれを5段階にまとめています。

①情報収集
 ↓
②情報を咀嚼し消化する
 ↓
③孵化させる(熟成・寝かせる)
 ↓
④アイデアが誕生(思いついた!見つかった!)
 ↓
⑤アイデアを具体化(整理・仕上げ・展開)

最初にお伝えしたように、「既存の要素の新しい組合せ」を考えるためにも①の情報収集では自分たちの分野外のことも情報として仕入れる必要があります。
ヤングは、発想の対象となる商品やサービスに関する情報を「特殊資料」、世の中に存在する一般的な情報を「一般資料」と呼び、これらを結びつけて考えることを重要だと考えていました。

ですが、単に情報収集して新しい掛け合わせをしたからと言って、いいアイデアになるわけではありません。

いいアイデアを生むためには、収集した情報に対しての理解度を深めたり、一旦知識や考えを熟させたりする(手放して寝かせる)時間も大切です。
一晩寝たら頭がすっきりしていたり、お風呂で頭を洗ってる時に急に思いついたりした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。この瞬間がみなさんが感じる「ひらめいた」瞬間であり、頭の中にある情報と情報が組み合わさり、持っている課題解決方法を思いつくことにつながるのです。

さらに、この思いつきやひらめきを整理し、課題に対する最適なアイデアとして整理することで、「良いアイデア」「使えるアイデア」になっていくのです。

アイデア発想法

アイデアは誰にでも生み出せて、プロセスもご理解いただけたかと思いますが「そうは言っても良いアイデアが出てこない!」ということはありますよね。
ここからは、アイディーエイでもよく使う具体的なアイデア発想法をお伝えしていきます。

SWOT分析(スウォット分析)
SWOT分析は、3Cや4P、PEST分析などと並んで、よく利用されるフレームワークの一つで、自社を分析する際に使われることが多い手法です。SWOT分析を使うことで、外部要因と内部要因を正しく把握・分析することができ、ビジネスで戦略や計画を立てやすくなるものです。このSWOT分析は、実はアイデア発想にも使える手法なのです。

アイデアを生み出すために、まずはこの表を埋めてみましょう。
これは先述のアイデアのプロセスにおける①情報収集にも該当します。
そこから、強み・機会はさらに活かす方向で考えてみます。
弱み・脅威はどうすればそれが弱み・脅威ではなくなるかを考えてみます。

さらに
・良いところは真似る、拡張する=『相乗思考』
・課題をひっくり返すように逆に考えてみる=『問題解決思考』
という考え方をして、表に追加できる内容があれば追加していきます。

次に、作成した表を分解して掛け合わせて考えてみます。

すると、とても強力な「強み×機会」という優先訴求する内容が見えてきます。
同時に、「弱み×脅威」という大きな課題も見えてきますので、アイデアを思いつくタネとして活用できます。
このSWOT分析も「今ある情報を整理し、掛け合わせる」ことで、まさにアイデア発想の基本形です。

②マンダラート法
マンダラート法は、9つのマスを使って連想し、アイデアを引き出す方法です。

・9マスの中央にコンセプトやメインテーマを最初に記入します。そこから連想されるキーワードを周囲の8マスに記入します。
・8マス記入できたら、今度はその8マスのキーワードをそれぞれテーマとして9マスを作り、さらに周りの8マスを記入していきます。

このようにテーマからキーワードを連想し、さらに広げることで、考え・思考を深めていくことができます。

今ではメジャーリーグでも二刀流で活躍されている野球の大谷翔平選手が、高校生の時に作成していたことで大きな注目を集め、認知度が高まりました。

マンダラートを使えば、アイデアの発想はもちろん、課題の整理、意見の共有などがしやすくなりますので、ぜひいろいろな場面で試してみてくださいね。

③世界観置き換え法

最高峰のブランドや異業種のメーカー、お店などに自身のブランドや製品を置き換えて発想してみる方法です。この時のポイントは、通常なら接点の無いような、全く異なる業種やサービスに置きかえて考えてみることです。
そうすることで、今までにはない新しい発想をしやすくなります。

例えば、あなたがコンビニやスーパーマーケットなどで流通するお菓子のメーカー担当者だとします。
そこで「高級車で有名なBMWが新商品のお菓子を開発するとしたらどんな商品になるか?」や「もしNASAが商品開発したら?」と考えてみてください。
今までとは違ったアイデアが出てきやすくなるかもしれません。

④時間軸を変える

未来や過去に時間軸を変えてみたり、一定の時期・時間帯に絞って考えてみたりする発想法です。
例えば、10年後、50年後の未来に発売する想定にしてみます。逆に100年前や奈良時代まで遡って考えてみるのも面白いですよね。
朝専用、お昼休み用など一日の中での時間帯を区切って考えることもできます。
お正月用や、プロポーズ用など、行事やシーン、用途を限定して考えることもできますので、いろいろな切り口で考えやすい方法です。

⑤なりきり法
タイプの違う人や、目線の異なる他人の視点になりきって考えます。または、特定の「個人」だけに合わせた視点で考えてみる方法です。考えやすいのは、成功者や憧れの人、身近な人などです。

例えば、芸能人やスポーツ選手になり切って考えてみます。
「明石家さんまさんならどんな商品を考えるだろう?どんな商品なら買ってくれるだろう?」
マツコデラックスなら?
みちょぱなら?
米津玄師なら?
松岡修造なら?
池江璃花子なら?

他にも、政治家や、大企業の社長などの有名人も良いかもしれません。
単純に、自分とは逆の性別や、年齢設定を変えることもできます。
あなたのお母さんになりきって考えることもできますね。

ポイントはどれだけ「客観視」できるかです。
恥ずかしがらずに、思い切りなり切って考えてみてくださいね。

⑥過去の感動体験から考える
今までの自分の体験や経験を振り返って、価値や魅力を感じた商品やサービスがどんなものか、どんな特徴があったか、ということから考えていく方法です。

あなたがリピートしている商品やサービスはありませんか?
・性能に感動した。
・予想以上のサービスで驚いた。
・パフォーマンスが安定している。
など魅力的な要素は様々あるかと思います。
その要素を、自社の製品やサービスに落とし込んでみて、新たな価値を生み出してみましょう。

まとめ

今回ご紹介したアイデア発想法はごく一部ですが、アイデアを生み出すヒントになりましたでしょうか?
私たちもデザインや企画、戦略を考えるときになかなか新しいアイデアが出なくて苦しむことがあります。
そんなときは、今までとは違う雑誌を参考に読んでみたり、気分転換にいつもは行かないお店で買い物したり、思い切って寝て、次の朝に考え直したりします。
アイデア発想法は他にもたくさんありますので、ぜひいろいろな方法を試してみて、今までとは違った視点のアイデアが出せたり、企画の可能性を見出してみてくださいね。

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Writer

AYA MATSUDA

岡山本社 アカウントプランナー。 中小企業をメインに業界を問わずデザインやブランディングを提供している。 昨今ではSNSの運用やWeb解析などデジタル戦略で企業のブランドをサポートしている。

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