ブランド連想のメリットと構築する6つのステップ・事例

ブランド連想が強いということは、消費者が特定のブランドに関する情報やイメージを迅速に思い浮かべられることを意味します。そのためブランド連想が強いと、顧客に選ばれる確率が上がるでしょう。

ブランド連想が形成されていると、購買の瞬間や選択のシチュエーションで、そのブランドをトップオブマインドに持ってくる助けとなります。例えば、コーラを飲みたくなった際に「コカ・コーラ」を思い浮かべる人は、コンビニやスーパーマーケットでコーラを買う際にコカ・コーラを手に取る確率が高いでしょう。

当記事では、ブランド連想やブランド連想を構築するステップについて解説します。

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1. ブランド連想とは記憶の中でブランドに結びつくすべてのこと

ブランド連想とは、消費者の記憶の中で特定のブランドに関連する情報やイメージ、感情などの要素の総体を指します。

ブランド連想は、消費者があるカテゴリーの商品やサービスを考えたときに、自動的に連想されるブランドやその特性に影響します。例えば、「ハンバーガーのお店」というキーワードを聞くと、多くの人が無意識に「マクドナルド」を思い浮かべるでしょう。このような強い連想は、消費者の購買過程において、どのブランドが選ばれるかの要因の1つとなります。ブランドが持つ独自の価値や特性、過去の広告やプロモーション活動、個人の経験や感じる感情など、さまざまな要素がブランド連想を形成しています。

1-1. ブランドイメージとはブランドに対して抱く印象のこと

ブランドイメージとは、あるブランドに対してユーザーや消費者が抱く総体的な印象や感じる感情のことを指します。

例えば、マクドナルドを考えると、多くの人は「いろんなハンバーガーがある」「美味しい」「黄色いMのロゴ」「商品提供が早い」といった印象や感情を持つかもしれません。これらの要素が組み合わさって、マクドナルドというブランド全体のイメージを形成しています。

一方で、ブランド連想は、何かを購入する際に候補として思い浮かんでいる状態までを指すことが一般的です。「ハンバーガーを食べたい」となった際に、マクドナルド、モスバーガー、バーガーキングが思い浮かぶのであれば、その3社はハンバーガーにおけるブランド連想が築けていると言えるでしょう。

2. ブランド連想を強化するメリット

ブランド連想が強化されると、消費者が商品を購入したりサービスを利用したりする際に、そのブランドが選択の候補として頭に浮かびやすくなるでしょう。

また、ブランド連想の強化は、ユーザーの購買意思決定を簡略化する助けとなります。消費者は、強い連想を持つブランドに対して「美味しいから」「安心だから」「おしゃれだから」といったように、無意識に信頼を感じる傾向があります。この信頼感は、ユーザーとブランド間の信頼関係の構築に貢献し、長期的なロイヤルティやリピート購入を促進する要因となるでしょう。

3. ブランド連想を構築する6つのステップ

ブランド連想を構築する際は、以下のステップを踏みましょう。

ステップ1|ブランド認知

ステップ2|製品の特徴の連想

ステップ3|ブランドイメージの定着

ステップ4|シチュエーションの連想

ステップ5|ブランドロイヤルティの確立

ステップ6|ブランドへの感情移入

各ステップについて、詳しく解説します。

3-1. ステップ1|ブランド認知

ブランド認知とは、消費者がそのブランド名を知っている、またはそれを識別できる段階を指します。ブランド連想を形成するための最初のステップは、まずブランド名やロゴ、特定の特徴などが消費者の中で認識されることから始まります。

消費者がブランドの存在を知らない限り、そのブランドと関連する要素や情報を連想することはできません。そのため、広告出稿をはじめとするさまざまなプロモーション手段を活用して、消費者に対してブランドの存在をアピールし、覚えてもらうことが必要です。

3-2. ステップ2|製品の特徴の連想

特定のブランドを考えるときに、そのブランドの特定の商品形状や特徴的な色、サービス内容などが自動的に思い浮かべられるようになるのがこのステップの目的です。

そのため、製品やサービスには覚えてもらいやすい名称をつけること、または記憶に残りやすい形状や特徴を持たせることが重要です。これによってブランド名だけでなく、商品やサービスの形状、特色、機能などが消費者の記憶に結びつきやすくなります。

3-3. ステップ3|ブランドイメージの定着

このステップの目的は、単にブランド名や製品の特徴を思い浮かべるだけでなく、ブランド全体に感じる感情や印象を強化することです。「使いやすい」「安心感がある」「洗練された」といったイメージがブランドと密接に結びつくようになります。

例えば、「このブランドと言えば〇〇」というフレーズの中での〇〇の部分は、そのブランドが持つ独自の価値やイメージを示しています。ブランドイメージの定着を通じて、消費者の中でブランドが持つ独自性や魅力が明確になり、それによってブランドへの愛着や信頼がより深まるでしょう。

3-4. ステップ4|シチュエーションの連想

「シチュエーションの連想」は、ブランドが特定の場面や状況と緊密に結びつくようになる段階です。具体的には、「どこで、誰と、どのようなときに、そのブランドや製品を使用するか」といった場面や文脈が明確にイメージされるようになります。

参考例として、「スポーツの時にはアクエリアス」といった連想は、スポーツの場面と飲み物が結びついていることを示しています。このような連想が強く形成されると、そのブランドは特定の場面や状況において自然と選択されるようになるでしょう。競合他社との差別化を図る上で、有利なポジションを構築しやすくなります。

3-5. ステップ5|ブランドロイヤルティの確立

「ブランドロイヤルティの確立」は、消費者がそのブランドの商品やサービスを使用することで得られる特定の価値や感情を明確に連想できる段階です。

例として、「〇〇感が味わえる」「〇〇に便利」「〇〇があると落ち着く」といったフレーズは、ユーザー自身の体験や感情に基づく、そのブランドに対する深い信頼・愛着を示しています。この段階になると、消費者は特定のブランドを指名して購入することが増えます。また、同じ商品やサービスを継続的に利用する可能性も高いです。

これは「ブランドロイヤルティが高い」と表現される状態で、ブランドと消費者との間に深い絆や信頼関係が築かれていることを示します。ブランドとしては、このようなロイヤルな顧客を獲得・維持することで、長期的な成長につながります。

3-6. ステップ6|ブランドへの感情移入

「ブランドへの感情移入」は、消費者がブランドに深い感情的な結びつきや愛情を持ち、そのブランドが生活において欠かせない存在と感じる段階です。

「愛着感がある」「〇〇がないと生きていけない」「〇〇しか使わない」といった表現は、そのブランドがユーザーの生活の一部として組み込まれていることや、ほかの競合ブランドを選択することなく、ある特定のブランドをこだわり続けている状態を示しています。

このような強固な感情的な結びつきがある消費者は、新製品の導入やブランドの新しい動きに対しても高い関心を持ち、長期的にファンでいてくれる確率が高いです。

4. ブランド連想の事例

最後に、有名企業やメーカーの中から、ポジティブかつ強力なブランド連想の構築に成功している事例を紹介します。

・アップル

「パソコンやスマホ、スマートウォッチと言えばアップル」と思う人も多いでしょう。アップルの「Think Different」のスローガンや、独自のデザイン哲学により、アップルの製品はクリエイティブで先進的なものとして広く認識されています。また、ユーザーはアップルの製品を使用することで、洗練されたデザイン、直感的なユーザーインターフェース、高品質な体験を得られると連想します。

・ダイソン

掃除機のブランドと聞かれた際に、ダイソンを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。ダイソンは掃除機市場に革命をもたらしたブランドとして知られています。ユーザーはダイソンの製品を見ると、高性能、革新的技術、洗練されたデザインの掃除機を連想するでしょう。これにより、ダイソンは多少高価格帯の製品を販売しても、顧客の信頼と支持を継続して獲得しています。

まとめ

ブランド連想を強化することは、ビジネスやマーケティングにおいて多くのメリットをもたらします。例えば、ブランド連想が強固だと、消費者の心の中でのブランドの位置づけが無意識に高くなり、購買の選択肢となる確率が高まるでしょう。

ブランディングに成功している企業は、独自のブランド価値やビジョンを持ち、製品やサービスを通じて一貫して表現しています。その結果、強力なブランド連想を構築することができ、多くの消費者からの支持や信頼を獲得しています。

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