e-Mobility 事業ブランディング・LA SI QUE 商品ブランディング

株式会社椿本チエイン 様 [IDA東京]

「動かす技術」の進化に100年以上 電動アシスト3輪自転車の新事業ブランディング

プロジェクト概要

「パワートランスミッション(動力伝動)」と「マテリアルハンドリング(保管・搬送)」の2つの分野を柱に、
チェーン・モーションコントロール・モビリティ・マテハンの4つの事業を展開している、椿本チエイン様。
創業から110年を超える椿本チエイン様では「動かす」分野での新事業としてeモビリティ統括を立ち上げられ、
電動アシスト3輪自転車を中心とする新事業と新プロダクト「LA SI QUE」のブランディングを進行していきました。

e-Cargo Projectを通して、社会課題の解決に寄与する新事業ブランドの立ち上げ

椿本チエイン様の長期ビジョン2030「社会課題の解決」をe-Cargo Projectで達成していく、というゴールを共通認識に始まったプロジェクト。
昨今、国土交通省による新モビリティサービスの奨励や、シェアサイクルの市場規模が拡大する一方で、高齢者の身体バランスや判断能力、視力の衰えなどにより免許返納が余儀なくされ、移動手段が不足する地域が増加するといった社会課題がありました。
若年でも高齢でも元気に生きて、働いている方々の健康寿命を延ばしながら、移動できる手段を提供することこそが、e-Cargo Projectのパーパスである「今日の悦びを明日につなげて あなたのやりたいに寄り添う」の実現につながります。
そうした想いとこれから開発されていく様々な製品とを体系的に整理し、成長させていくために、ブランド構築からデザイン、プロモーションまで、一貫した戦略と施策の両面で、e-Cargo普及に向け伴走していきました。

プロジェクトのキックオフでは、製造工場へお伺いし、事業への想いやプロダクトなどのヒアリング、工場見学や試乗を通して、ビジョンを把握するともに、プロダクトの独自価値を体感し、「このブランドはどんな課題を持った人に必要とされるのだろう?」「そうしたらどんな価値が提供できるのだろう?」というブランド運用の軸となるブランド・マーケティング戦略を設計していきました。

そこから社内・社外に向けて発信するブランド像へと繋ぎ合わせます。

事業コンセプトと、商品コンセプトの両立へ

本プロジェクトでは「e-mobility事業のブランドステートメント」と「プロダクトブランドのコンセプト」を策定しました。
事業のブランドステートメントは、なぜ私たちはこの事業を行うのか?を紐解き、社会への提供価値を明文化するものとして策定しました。

「ワクワクと一緒にいこう。」

人類誰もが「移動」とともにあり、その体験で得られる悦びや感動を、椿本チエインはあらゆるサービス、プロダクトを通して提供していくことを使命のように語る文章です。ブランドのコアとなる考え方として、新たな取り組みを推進する際にも立ち戻ることができます。

その事業のブランド戦略に則り、プロダクトブランド「LA SI QUE」のブランド構築を行いました。ブランドビジョン、販売戦略、営業戦略、製品開発スケジュールなどと連動させながら、ユーザーニーズの掘り下げや使用シーンの具体化など、今まで漠然と存在していたイメージを明文化・体系化し、戦略顧客や独自価値の設計、そしてコミュニケーションの基盤を作っていきました。

LA SI QUEのブランドコンセプト 「“おもい”をのせてどこまでも、らしく。」

人が運ぶ荷物は、重たくネガティブなものではなく、楽しみや誇り、思い出の詰まった大切なものであり、それらとともに心も軽く自分らしく移動しようというメッセージを込めた言葉になっています。事業の想いを継承しつつ、プロダクトが独自に持つ価値を落とし込みました。

LA SI QUEを通じて実現したい世界を表現

e-Cargo Projectが目指す世界観を表現するためにキービジュアルを作成しました。老若男女国籍を問わず多様な人や、犬、ロボットたちが未来に向かう道の中で、フル電動、トライク、自動運転車などのあらゆるモビリティが未来の世界で軽やかに、楽しそうに人々と寄り添っている様子を描きました。絵巻物のように長いビジュアルは、この先のブランド成長に合わせて継ぎ足していける仕様となっています。

一方、プロダクトブランドのメインイメージとしてロゴマークを制作しました。競合ブランドとの差別化やビジュアルとしての独自性はもちろん、このプロジェクトで一貫して大切にしてきた「楽しさ」や「ワクワク」といった期待感を感じられることがマストの要件でした。プロトタイプ開発のフェーズでは、BtoB向けにシンプルで堂々とした信頼感のあるマークで展開し、以後展開されていった販促・プロモーションで活用されています。

ブランドを表現するキービジュアルは、LA SI QUEの世界観を最大限に表現するため、静止画に加えて動きをつけた動画形式も制作。キービジュアルのグラフィック表現をベースにし、Webサイト、リーフレット、ブランドムービーなどユーザーとのコミュニケーションツールに落とし込んでいきました。

2024年5月、東京ビッグサイトで行われた「第1回 観光DX・マーケティングEXPO」へのブース出展をブランドローンチとして位置付け、ブランドムービーを含めたWebサイトの公開、リーフレットのお披露目を展示会開催と同時に実施しました。

展示会ブースではLA SI QUEの世界観を来場者が最大限感じられる空間設計を実施。

「移動でもっとできることを」をコンセプトに、荷物を気にせず買い物を楽しめる、免許不要の移動手段、ピクニックやキャンプ、ペットと一緒に、など観光地におけるさまざまなシーンでの活用を提案しました。
観光業界、自治体、イベント企業など幅広い業界の方々にお越しいただき、元々設計していたブランドの想いが世界観を通して伝わり、ブランドの認知・商談化へと繋げることができました。

同年6月に行われた「BICYCLE-E·MOBILITY CITY EXPO 2024」へも同じコンセプトで出展し、継続的なブランド認知を獲得しました。
後日、別の場所で初対面の方とお話しした際にも『あの観光DXの3輪自転車のブース!』と話題に上がるほど、深く印象に残る展示空間だったと椿本チエイン様からもお褒めいただきました。
また、この際に制作したプロダクトの展示台、シーン訴求タペストリー、展示用ボックスなどの各制作物は、他の展示会や社内の取り組みにおいても継続的に活用していただいており、トータルで見たときのコストダウンをはかることにも一役買っているとのことです。

LA SI QUE|ブランドサイト

Summary

総括

本ブランドはこれから量産が始まり、一般の方々へ届いていくものです。 事業開発のフェーズからブランドづくり、ローンチ後のお客様の反応までを見てまいりました。事業の成功を左右するのはこれからのフェーズなので、プロモーションやコミュニケーションデザインまで引き続き尽力して参ります。

Project Member

クリエイティブディレクター Yusuke Taneichi (東京) / Kansuke Yukawa (福岡)
デザイナー Yuna Uchida(岡山)
デザインコンサルタント Shun Matsuda (福岡)
アカウントプランナー Nozomi Kishimoto(東京) / Takuya Ito(東京)

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