ブランド価値を伝える「ブランディングデザイン」とは?
株式会社モスフードサービス 様 [IDA東京]
モスバーガーを全国に展開し、近年は公式オンラインショップ「Life with MOS」を通じた食品D2C(冷凍ライスバーガーやモスチキンなどの直販)にも取り組む、モスフードサービス様。中期経営計画(2025–2027年度)では、「MOS BURGER」を、多様な付加価値を発信するブランド「MOS」へと拡張し、グループの収益を多角化していく方針を掲げています。 本プロジェクトは、その経営方針を"ブランドの言葉と体験"へと変換し、店舗の外へ広がる食のシーンでも「MOSらしさ」が一貫して伝わる状態を目指した事業ブランディングです。アイディーエイは、目指す姿(夢)を共に描くところからご一緒し、ブランドの核となるMVVの定義から、お客さまへの提供価値設計、VI開発、ECサイトやチラシ、ギフトボックスのデザインまでを伴走していきました。
アイディーエイのブランディングでは、現状分析からではなく「目指す姿(夢)」を定めるところからスタートします。本プロジェクトでは、拡張していくMOSブランドがお客さまに約束する価値と、その世界観を明文化し、店舗・EC・新規事業の「どの接点でも一貫して“MOSらしさ”が伝わる状態」をゴールに設定しました。
MOSブランドは広く親しまれている一方で、ECや外販事業といった “店舗の外” の領域では、「MOSというブランドが何を提供するのか」が言語化しきれていない状態でした。ブランドの持つ価値を、新しい接点でも魅力的に伝えていくための“共通の軸”が求められていました。
また、EC事業に関わるメンバーの意思統一にも課題を感じられていた背景もあり、「MOSらしい」EC事業を形式知にし、浸透させることもプロジェクトの大事な要素としてスタートを切っていきます。
ブランドの土台として、存在意義(Mission)/理想的な未来像(Vision)/行動指針(Value)を言語化。中期経営計画におけるMOSブランド拡張の位置づけを共有したうえで、事業が向かう先を”ぶれない言葉”に落とし込んでいきました。それが今回設定したMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)です。

ミッションはモスフードサービス様が掲げる「食を通じて世界中の人を幸せにすること」を引き継ぎ、EC事業独自のビジョンとして「made in MOS を世界の日常へ。」と設定しました。これは、MOSブランドが持つ独自の価値をmade in MOSと表現し、場所や時間に限られないEC事業だからこそ「世界の日常に届けることができる」という想いから設定した言葉です。さらに、事業全体でこの想いを体現するために「バリュー(価値基準)」を3要素設定し、事業を通して「世界中の人を幸せにする」ことができる土台ができました。

背景には、市場の追い風もあります。世代・年代別に見た食品EC化率の伸長、在宅時間や可処分時間といった生活時間の変化、物価上昇期における生活者の選び方の変化——「食を家庭で楽しむ」需要が構造的に高まっている今こそ、ブランドの核を定義し直す好機と捉え、プロジェクトを進行していきます。
食品EC市場の動向や生活者のインサイト、先行するEC食品ブランドの分析を通じて、「誰に、どんな価値を提供するのか」を整理。定義したMVVと接続させながら、MOSブランドならではの提供価値とポジショニングを描いていきました。


MOSブランドの最大価値は商品に込められている——プロジェクトの中で幾度となく議題に上がった言葉です。モスの日常化を実現するためには、EC事業のなかでブランド価値を届ける商品の戦略が必要でした。アイディーエイでは、ブランド価値を軸にMD戦略から商品構成アイデアチェックシートの作成、具体的な商品アイデアまで企画をサポート。中期的な視点でブランド体験を提供できるMD戦略の設計ができました。




策定したMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の体現、3C分析から導き出したブランド戦略をユーザーに届けるために、EC事業ブランドの再定義を行いました。
5年後に理想とするブランド像を明文化し、ブランドアイデンティティや戦略顧客、ベネフィットなどを再定義。ただのECサイトではなく、「MOS LOVERS=熱狂的なモスファン」のためのプラットフォームとして事業ブランドを育てていく戦略に決定しました。
また、ブランドを体系化。トーン&マナーを設計するためにコミュニケーションキーワードまで定義し、コンセプトやキービジュアルの開発に着手していきました。


決定したキービジュアルとコンセプトです。様々な議論とモスフードサービス社内のデザイナー様のお力もお借りし完成しました。ただ流行のデザインを追うのではなく、時代や国境、年齢を超えて伝わる普遍性を持ち、日常に自然に溶け込むことを重視していることをフォークアートで表現しました。

ブランド戦略・VI(ビジュアルアイデンティティ)の開発に続き、実際のブランド体験をする場「ECサイト」のデザインまで担当しました。今回戦略顧客として定めたMOS LOVERSの方々が、店舗だけではなく、ECサイトまで来てくださるのか。ECサイト内の購買の導線上で、タッチポイントの数や体験が増え、新しい世界観が感じられるか。ECサイト内でのコンセプト体験と発展性を考慮して情報設計・UI設計を行いました。

モスバーガーの公式オンラインショップ Life with MOS

Summary
定義したMVVを起点に、ブランドコンセプトと提供価値、ポジショニングを固め、お客さまとの接点で"MOSらしさ"を体現するための言葉とビジュアルの方向性を設計していきました。ブランドの核を言語化したことで、店舗の外へと事業を広げていく際にも、判断のよりどころとなる"共通の軸"が生まれました。
Project Member
| クリエイティブディレクター | Aine Inoko (東京) / Naoki Kosada (東京) |
|---|---|
| デザインディレクター | Kansuke Yukawa(福岡)/ Terue Akiyama(福岡) |
| アカウントプランナー | Nozomi Kishimoto(東京) |
| デザインコンサルタント | Junya Nishie(岡山) |
| デザインコンサルタント | Shun Matsuda(福岡) |
| デザイナー/コピーライター | Haruka Koresawa(岡山) |
| デザイナー | Hyuga Kaizu(大阪) |
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