ブラックサンダー 商品ブランディング

有楽製菓株式会社 様 [IDA東京]

25周年をきっかけに“らしさ”を見つめなおした、国民的お菓子のリブランディング

プロジェクト概要

東京都小平市に本社を構える、有楽製菓様。同社の代表商品「ブラックサンダー」についてブランド規定の統一に課題を感じ、25周年を機にブランドの再整理を実施。社員が共通理解を持ち、正しくブランドの運用から育成できるようになることを目的としてブランドの考え方を整理し、ブランドロゴの見直しとブランドガイドラインを作成、商品への展開を進めていきました。

ブランドを再整理し、商品企画からプロモーションまで、管理できる仕組みづくり

リブランディング前の課題は、競合商品の増加・顧客層の固定化から、売上が鈍化していることでした。課題解決のため、新たなファンの獲得を目指していましたが、思うように商品の価値や魅力が届かず、ユーザー層の拡大に苦戦していました。

また、当時の有楽製菓様社内では、デザインにおける決まり事が無く、デザインをするたびにブランドイメージにばらつきがでてしまう状況でした。

長く続いているブランドということも影響し、ブラックサンダーブランドに対してのイメージや認識、理解にばらつきがあり、「ブラックサンダーを今の価値観で進めて良いのか分からない」という社内からの声も上がっていました。

そこでアイディーエイに求められたことは、社内外におけるブラックサンダーブランドのあり方を再整理し、企画や商品、プロモーションに至るまで、全員が正しくブランドの理解をし、運用、育んでいけるようなルールをつくることでした。

リブランディングプロジェクトロゴ
ワークショッププログラム

このミッションを達成するために必要になるのが、ハード面(ロゴマークやVIルール、ブランドブック)とソフト面(ワークショップ)両側からプロジェクトを進めることでした。大きく6回のフェーズに分けてワークショップ、ディスカッションを重ねていきました。

今回のプロジェクトで完成させるブランドシステムは「ブランドプリズム」「ブランドピラミッド」「コミュニケーションホイール」の3つ。そしてプロジェクトのテーマとしてブラックサンダーらしく、「楽しく真剣にやる!」を掲げプロジェクトが始まりました。

ブランドプリズム
ブランドピラミッド(参考)
コミュニケーションホイール

ワークショップでは、「1回やって次」ではなく、「すこし進んでまた振り返り」と、決まった要素を見直したり、書き足していったりと毎回精度を高めるように進行しました。

ブランドプリズムは、元々有楽製菓様で制作されていた「会社にとっての基本形」のような存在だったため、リブランディング後も社内で活用しやすいよう、ブランドプリズムを基軸として進行しました。プリズム枠内に入る言葉一文字一文字の精度を、度重なるディスカッションによって高めることができました。

また、有楽製菓様が普段から見慣れているフォーマットを使って進めることで、取り組みのハードルを下げることができ、プロジェクトが進めやすくなりました。

「ブラックサンダーらしさ」をとことん尖らせる

本当の価値を議論し抽出する

「現状」と「将来なりたい姿」のギャップを抽出していくと、「ユーザーにとってブラックサンダーの購入シーンが明確になっていない」という課題が明確になりました。「コストパフォーマンスがよくネタになる面白いチョコレート」。それ以上の価値がどこにあるのかと議論を重ねていきました。

有楽製菓様の社員が持つイメージでも、「ブランドの根幹は無いが面白いブランド」「楽しいブランド」という声が多く、一定のイメージはついているものの、意図しないニュアンスでブランドが一人歩きしてしまっている現状がわかりました。

ブランドを体現する価値の整理


ブラックサンダーブランドの価値を整理し磨いていくために、改めてターゲットユーザーを設定し、感情や感覚などユーザーのインサイトを深堀りし、「ブラックサンダーはどんな役割を担っているのか?、担うべきなのか?」を考えていきました。

また、各種分析から抽出されたブランドの要素をブランドプリズムの一つ一つの項目ごとに整理し、まとめていきました。各項目ごとの因果関係を表すことで、文脈を確認しながら整合性がとれた組み立てができ、価値観の伝え方を一言一言精査することができました。

「ブラックサンダーらしい尖らせた言葉を選ぶこと」を意識することでパワー感のある言葉は馴染みやすさを与え、プロジェクトメンバー内でも納得度の高いものとなりました。

ブラックサンダーらしい世界を商品まで浸透

定めたブランドプリズム、ブランドピラミッドをベースに、ブランド価値をデザインしていきました。ロゴマークについては特に検証を重ね、丁寧につくっていきました。

ロゴをつくる上での注力ポイント

  1. 商標登録ができること
  2. 今まで以上にブラックサンダーらしいこと
  3. 何十種類以上もある商品展開(コミュニケーション)を想定できること
  4. アイコニックさをパワーアップさせること

上記をクリアするために堂々としていること、力強いこと、飛躍・向上を感じられること をロゴ制作の基本原則としました。

また、デザインは以下のように方向性を複数検討しました。
・現行ロゴからのブラッシュアップ方向
・イナズマとの一体感をアップさせる方向
・遊び心や楽しさのニュアンスをプラスした方向
・クールでソリッドな方向
イメージを大きく変えず、なりたい姿を体現できるデザインを検討しました。

ロゴマークの検証

コミュニケーションツールへの展開

ブラックサンダーは商品展開が多いので、さまざまな形態のパッケージへデザインされることを想定したロゴ制作が必須でした。黒・白といった背景色での検討はもちろん、正方形~縦型フォーマットの場合でも使いやすいイナズマを用意するなど、商品ごとでの汎用性を十分に意識して制作を進めていきました。

結果、現行ロゴと同様、「ブ」のサイズ感はキープすることでロゴの印象を残し、店頭での可読性と視認性を向上させ、今まで以上に飛躍できるような疾走感と力強さを出すことで、存在感と勢いのあるイメージを構築することができました。

パッケージデザインブラックサンダー2
決定ロゴデザイン
パッケージデザインブラックサンダー3
商品パッケージデザイン
パッケージデザインブラックサンダー1

紙媒体、映像、看板などのパッケージ以外の媒体に展開していくことを想定し、ロゴマニュアルを制作しました。デザインにおいて一定の決まりを設け、状況に関わらず統一したブランドイメージを発信することができるようになりました。

Summary

総括

プロジェクトを通して、よりブランド価値が伝わるイメージの構築ができました。 オリエンシートにもマニュアルの一部が引用されており、ブランドが大事にすることを振り返り・確認するツールとしても役立っています。

Project Member

デザインディレクター Naoko Asano(東京) / Naoki Kosada(東京)
デザイナー Juri Inoue(大阪)
アカウントプランナー Nozomi Kishimoto(東京)

当サイトではみなさまに適した情報・サービスをご提供するために、プライバシーポリシーに基づいてCookieを利用しています。Cookieを通じて収集した行動履歴と個人情報を関連付ける場合があります。当サイトの閲覧を継続する場合はCookieへの同意をお願いいたします。

お問い合わせ

セールスブランディングから学ぶ 商品が選ばれるブランド体験づくり