ブランド価値を伝える「ブランディングデザイン」とは?
タマリビング株式会社 様 [IDA東京・福岡]
タマリビング株式会社は、タマホームグループのインテリア・家具事業を担う会社様です。インテリアオプション販売・モデルハウスコーディネート・家具の企画&卸販売の3軸で事業を展開するなか、売上の多くを親会社に依存する構造からの脱却を目指し、独立した自社家具ブランドの立ち上げをご依頼されました。2025年1月のキックオフから約1年4か月をかけ、生活者への本格的なマーケティングリサーチも実施しながら、D2C家具ブランド「COTONA」として2026年4月にローンチしました。
最初のヒアリングで浮かび上がったのは、率直な課題でした。タマリビング様の売上の多くを親会社とその顧客への販売が占めており、BtoCやECを通じた一般ユーザーへのアプローチは、課題を感じている状態でした。
また、代表取締役社長の杉本様からも「家具という暮らしを支える大切な存在なのに、まだまだ価値が伝わっていない市場に疑問を感じている」こと、「家具・インテリアに対する日本人の価値観を変える存在になりたい」という想いを当初よりお聞きしており、私たちもそこに共感しプロジェクトをスタートしました。
このような想いを将来的には、コーポレートブランドへも繋げていけるようなプロジェクト設計を行い、全体の設計から始めていきました。

プロジェクトはキックオフから始まり、トップ・キーマンへのヒアリング、Webアンケートの実施、そして複数回にわたるワークショップを重ねながら、市場と顧客の解像度を上げていきました。SWOT分析・クラスター分析を含めた3C分析通じて、家具購入者の中の「機能性よりも見た目を重視し、手頃な価格で部屋の雰囲気を変えられるデザインを好む層」を戦略顧客として定義。競合分析では主要ブランドとの差別化軸を整理し、「座る」という行為に特化したプロダクト群と専門家の知見を活かした購入体験の組み合わせという仮説へと辿り着きました。

ブランド骨子の仮設計が完了した段階で、IDAはマーケティングリサーチの実施を提案しました。「感覚ではなく、数字でターゲットと提供価値を確かめてから進む」——この判断が、ブランド戦略の精度を大きく高めることになりました。
家具を5年以内に購入した経験があり、かつデザインへのこだわりを持つ戦略顧客層は、調査回答者全体(n=800)の48.1%を占めることが確認され、潜在市場の規模は想定以上のものがありました。

また、COTONAのブランドコンセプトに対する魅力度(TOP2)は全体で79.3%と高水準を記録。特に戦略顧客の中核となるデザイン重視・高単価許容層では86.1%に達し、最も魅力を感じるという最高評価も他の層を大きく引き離しました。
提供サービスの仮説も検証することで、今後のブランド成長・事業拡大のイメージも共通認識にすることができました。
また、ECでの購入に際する不安についても調査を行い、「部屋の広さ・レイアウトに合うサイズがわからない」が全象限を通じて最多でした。この課題への対応として、椅子を選べる仕組みやVR機能の活用が次のフェーズの検討テーマとして浮かび上がりました。
この調査結果を受け、ブランドコンセプトの一部を見直しながら骨子を再確定。「数字で見えた市場の手応え」を携えて、ブランドの実装フェーズへと進みました。
分析と調査を重ねた先に辿り着いたのが、COTONAというブランド名と「1つの椅子から、暮らしを変える」というパーパスです。日本の住空間において、座ることを通じて暮らしが整っていく——そのシンプルな発見を出発点に、ブランドの存在意義を言語化しました。
ブランド名「COTONA」は、CO(あなたらしい暮らし)とTONARI(近くで寄り添う)を掛け合わせた造語です。「あなたの理想の暮らしを理解し、期待以上の提案で新たな発見のきっかけをくれる、唯一無二の存在」というキャラクター定義を骨格に、「新しい発見」「嬉しい・楽しい」「よくばりが叶う」の3つのコミュニケーションキーワードを設定。トーン&マナーはネイビーを軸に、落ち着きの中に温かみを持つビジュアル言語として整理しました。





ブランドの言語化が完成したのちは、実装フェーズへ。ロゴマークの設計、モデルを起用したイメージ撮影、ブランドを「手に取れる体験」として展示会で活用するグッズ制作へと進みました。トートバッグ、ロングTシャツ、アクリルコースター、ドリップコーヒーパッケージ、名刺デザインなど、COTONAの世界観を一貫してまとったブランドグッズを制作しました。


そして最初のお披露目の場となったのが、2026年1月14・15日に開催された「大川家具展示会」です。日本最大級の家具産地・大川市(福岡県)で行われるこの展示会で、COTONAは初めてバイヤーの前に姿を現しました。展示ブースのデザイン・什器・販促ツール・タペストリーまでを一気通貫で制作し、ブランドとして統一された世界観を会場に作り出しました。訪れたバイヤーからも好評のお声をいただき、新ブランドとしての第一印象を確かなものにしました。


ブランドイメージをしっかり固め、タマリビング様にてECサイトを制作いただきました。
アイディーエイでは認知を高めるために、ブランドのInstagramを立ち上げ、初期の運用を担わせていただきました。

Summary
2026年4月、COTONAは正式にローンチを迎えました。「感覚」ではなく「データ」でターゲットとコンセプトの有効性を確かめ、その裏づけをもってブランドの全体像を構築する——このプロセスがCOTONAという新しいブランドの土台を確かなものにしました。 企業が抱える構造的な課題に向き合い、独立したD2C家具ブランドとして市場に立つまでの約1年4か月。ブランド戦略策定・マーケティングリサーチ・ネーミング・ロゴ・ビジュアル・撮影・グッズ・展示会・Instagram立ち上げまでを一貫してIDAが担いました。タマリビング様の想いは、COTONAの誕生によってその第一歩を踏み出しています。
Project Member
| クリエイティブディレクター | Aine Inoko (東京) |
|---|---|
| アカウントプランナー | Nozomi Kishimoto(東京) |
| デザインディレクター | Kansuke Yukawa(福岡) |
| デザインコンサルタント | Shun Matsuda(福岡) |
| デザイナー | Tomoka Takemura(東京)/ Mizuki Nakasuji(福岡) |
当サイトではみなさまに適した情報・サービスをご提供するために、プライバシーポリシーに基づいてCookieを利用しています。Cookieを通じて収集した行動履歴と個人情報を関連付ける場合があります。当サイトの閲覧を継続する場合はCookieへの同意をお願いいたします。